2020.11.06【セミナー】豊かな森づくりで豊かな地域づくり
厚生労働省生涯現役促進地域連携事業
高年齢者向け第2回プロボノセミナー
第二の人生は経験と知識を林業で活かす
豊かな森づくりで豊かな地域づくり
◎日時:11月6日(金)13:30~15:00
◎会場:幸田町シニア・シルバー世代サポートセンター
◎参加費:無料
◎内容:
- 事業継続可能な林業のあり方、可能性について
- 荒れた森を整備することで生まれる豊かな社会づくり
- 第二の人生や各自が持つ経験・知識を林業に活かしていくためのアドバイス
◎講師:唐澤 晋平 一般社団法人奏林舎 代表理事
1985年、愛知県幸田町生まれ。
名古屋の専門学校にて環境全般を学んだ後、2009年に宮城県のくりこま高原自然学校に就職。環境教育や野外教育に関わる傍ら、東日本大震災の復興支援や森林資源の活用を通じた地域の活性化に取り組む。
2014年に愛知県に戻り、岡崎市の中山間地に定住。2018年4月より一般社団法人奏林舎を設立し、地域に根差した林業を通じた豊かな森づくりと地域づくりを推進している。
高年齢者の林業参加を期待しています
今回の講師は、一般社団法人奏林舎代表理事の唐澤晋平さんです。唐澤さんは幸田町出身で、名古屋で環境のことを学んだ後、東北の自然学校で環境教育や野外教育、東日本大震災の復興支援などに携わりました。現在は愛知県に戻り、森林の健全な保全や地域作りをテーマに様々な挑戦をされています。
唐澤さんは「日本は戦後、植林を急速に進めた結果、国土の3分の1が人工林です。気候的には植物が自然に育つ環境があるため、先進国では他にない森林大国で、森林ストックは今も増え続けています。しかし地方では若者も地元に残りたい気持ちはあっても、林業では仕事にならないということで、放置林が増えています」と、森林の現状や背景を解説してくれました。
「山は本来個人の所有ですが、多額の税金が投入されています。山や森林は水源であったり、災害リスクを減らす役割をしていて、街の人も間接的な恩恵を享受しているからです。かつては必要なだけ木を切れば生活ができた林業ですが、ここ数十年の間に生活様式は大きく変わり、木材の需要が減ったために、物価は上がっても木材の価格はむしろ下がってしまい、山主さんが山離れしてしまっています。山がこれ以上荒れないように、もともと循環型であった林業を本来の姿に戻す必要があります」
そのために、唐澤さんたちは、一般材よりも生産コストのかかる間伐材の高付加価値化のために社会実験を行ったり、商品開発を行っています。「今後は高年齢者の林業参加を期待しています。60代なんて若手ですから(笑)。専門技術を習得して、好きな時間や繁忙期だけ森林整備や木材加工を手伝っていただけばいいし、インストラクターや自然観察ガイドなど教育方面にも活躍の可能性があります」と唐澤さん。大手メーカーのOBも多数参加されているそうですよ。