2022.09.22【セミナー】森林サービス産業における里山の可能性
厚生労働省生涯現役促進地域連携事業 第1回 人材活用セミナー
森林サービス産業における里山の可能性
「森づくりは100年の計」と言われますが、一度でも人が手を入れた森は人が責任を持って100年先を見据え、手を入れ続けなければならないものだと思います。
現在の地球環境を考えると、私たち人類は便利さを追求してきたあまり自然との付き合い方を誤り、それが今日の地球温暖化や未知のウイルスの出現に繋がっているかもしれません。そんな今だからこそ森に学び、輝く未来のために私たち一人ひとりがそれぞれできる役割を果たさなければなりません。
オークヴィレッジは創業時から「自然との共生」を活動理念に掲げ、持続可能な循環型社会の構築を目指しています。
●日時:9月22日(木)10:00〜11:30
●会場:幸田町ひと・しごと交流施設
幸田町大字荻字西中64-1
●参加費:無料
●講師:オークヴィレッジ株式会社 会長 稲本 正
1945年富山県生まれ。 立教大学卒業後、同大学勤務。 1974年に「人と自然、道具、暮らしの調和」を求めて工芸村「オークヴィレッジ」(岐阜県高山市清見町)を設立、代表となる。 お椀から建物まで幅広い工芸を展開する一方、植林活動を行い地球環境における森林生態系の重要性を発信し続ける。
お申し込みはこちらのフォームから:幸田町セミナー申し込みフォーム
問い合わせはお電話にて:
TEL:0564-73-0050
幸田町シニア・シルバー世代サポートセンター(幸田町シニア・シルバー世代サポート推進協議会事務局)
愛知県額田郡幸田町大字坂崎字道坂27-1
業務時間:月曜日から金曜日 午前8時30分〜午後5時15分(土日祝日休み)
里山は宝の山なのです
今回は飛騨高山で木製家具の製造販売や木造建築を手掛けるオークヴィレッジを立ち上げた稲本正さんを講師にお招きして森林サービス産業の可能性を探りました。
大学で物理学を研究していた稲本さんですが、「科学がいかに進歩しようと、それだけでは人を幸せにできない」と感じ、人間性の回復や自然との共生を追求していくうち、豊かな広葉樹と針葉樹に恵まれ、奈良時代から続く大工の伝統がある高山市にたどり着いたのだそうです。
稲本さんは「まず大前提としてそもそも地球がどういう星なのか、というところから話をします。地球上の動物は人が3割、家畜が6割、野生動物が1割なので、人の意思が地球の将来を決めていますが、地球が水と森と昆虫の星だということを忘れてはなりません。植物の総重量は動物とは比べ物になりませんし、生物の6〜7割は昆虫です。植物は昆虫と共存する方法を知っていて、人は植物に生かされています。植物や昆虫に対する尊敬の念がないと人類は滅びます」
「日本という国も人の文明も恐竜化していて小回りが利きません。これからの社会を豊かにしていくには、多様性、連携、創造性が必要で、そのためには生き方を考えたり、未知の領域に挑戦できる人材育成が急務です」
「100年かかって育てた樹は100年分のCO2を吸収しています。それを燃やさなければ100年使える家具になります。SDGsの主旨にも叶うでしょう。まだまだ研究が遅れているけれども、緑色のエネルギー量が最も高いことや、樹が出す香りやオイルが免疫力を高めること、木の粉でパンが作れる、森林浴の予病効果などが徐々に科学的根拠を持って解明されつつあります」今後の森林の産業化の可能性は高そうです。
世界の森を見てきたという稲本さんですが「何もしなくても樹が育つのは日本だけです。人が植える・切るをメリハリよく行えば、里山は宝の山なのです」として、多数の著作と共に現在も大学で教鞭をとられるかたわら、全国各地の特産品開発にも関わっておられます。