2024.09.09【セミナー】令和6年度下半期の国内外の経済見通し
厚生労働省生涯現役地域づくり環境整備事業
第2回 事業主向けセミナー
令和6年度下半期の国内外の経済見通し
2024年9月9日(水)14:00〜15:30
混沌深まる世界、日本国内政治も不安定となっています。
米国経済のアキレス腱は何か? 中国の動きはさらに拡大するか?
ロシアは如何に戦術を展開するか? インドをはじめとするグローバルサウスの影響力は増すか?
そして、日本経済は?
鳥瞰図的、複眼的に眺めていきたいと思います。
講師:愛知淑徳大学ビジネス学部ビジネス研究科教授 真田 幸光(さなだ ・ゆきみつ)氏
1957年東京都生まれ。曽祖父が真田家(松代)当主。慶應義塾大学卒業後、81年東京銀行入行。
84年韓国延世大学留学。97年東京三菱銀行ソウル支店主任支店長代理。同年ドレスナー銀行東京支店企業融資部部長。
98年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所助教授に就任し、2002年同コミュニケーション学部教授、04年同ビジネス学部教授。12年4月から同ビジネス学部長、研究科長。社会基盤研究所客員研究員、日本格付研究所客員研究員ほか大学外の活動も多い。
■参加費:無料
■会場:幸田町生涯現役館(ウェルビープラザ)幸田町大字上六栗字堀合41番地1
お問い合わせはお電話にて TEL:0564-73-0050
幸田町シニア・シルバー世代サポートセンター
(幸田町生涯現役推進協議会事務局)
幸田町上六栗堀合41番地1 幸田町生涯現役館(ウェルビープラザ)
業務時間:月曜日から金曜日 午前8時30分〜午後5時15分(土日祝日休み)
為替ではなく本業で実力で利益を出して欲しい
今回は事業所の方々を対象に、今年後半の経済見通しについて愛知淑徳大学ビジネス学部の真田幸光教授に解説していただきました。
冒頭、真田さんは「まずは、高所から大局を見る鳥の目、複眼的な虫の目、流れを読んで行動する魚の目を意識していただきたい。昨今の混沌状態は自然の摂理に基づいていないからではないか」と、つい目先のことにとらわれがちな風潮に警鐘を鳴らしました。
「世界情勢は米英と中露の対立構図の中に、インドやブラジル、メキシコ、インドネシアらを称した『グローバルサウス』が誕生、三つ巴の様相を呈している。ウクライナ紛争によって、金融による経済のコントロールの限界が見えてきて、生活や生産に必要な物資を持つ者の強みが際立っている。ビジネスも同様、世界が求めるモノ・サービス、自社しか作れないモノや技術を目指していただきたい」
「国際基軸通貨であるドルによる決済に、異を唱える国が現れ、皆さんのビジネスにも大きな変化が起きる可能性も出てきている」
「米国は大統領選を待たず、金利を下げる方向にあるが、金利の安い円で借りて、投資に回す『キャリートレード』が解消されれば、円高は適正な方向に進む。円高が進めば輸出型企業は影響を受けるだろうが、為替ではなく本業で実力で利益を出して欲しい」など、世界情勢が日本企業に与える影響について、たくさんの視点を提示していただきました。
また、今回参加の多かったモノづくり企業の皆さんに向けて「世界が日本企業に期待するのは、高度な部品、装置、素材、グローバルメンテナンスなど。それに応えていくためには金太郎飴的人材ではなく、尖った人を育てていく必要がある。機械化、自動化、省力化で生産性をアップして、人にしかできない仕事をできるように。いい教育が受けられる環境、それが発揮できる場があれば、人は自然に集まってくる。モノづくりの町、三河にはぜひ頑張っていただきたい」とエールを送りました。
セミナー終了後も質問が多数出ました。
Q:日本の金利は?
A:年内に一度上がるが、それ以降は簡単には上げられないと思う。コロナ融資の不良債権化も上げられない要素になっている。
Q:鉱物資源の価格は?
A:2つの戦争が収まれば価格は安定すると思う。米国大統領がどちらになるかによって、戦争収束の可能性が変わってくる。
Q:BRICsによる金本位制の新通貨は実現するのか?
A:具体的な議論は始まっているが、金との交換が本当に可能なのか疑問がつく国でもある。人民元の電子マネー化が、米ドルの基軸通貨の地位を脅かす存在になるかもしれない。
Q:米国大統領はどちらがいいか?
A:既得権益にあぐらをかく層を壊す、円ドルの為替レートを適正にしようとする人がいいと思う。