
2024.11.27【セミナー・満席につき募集終了】檜原 森のおもちゃ美術館への想い
厚生労働省生涯現役地域づくり環境整備事業
高年齢者向け社会参加セミナー
第3回里山ウェルビーイングセミナー
檜原 森のおもちゃ美術館への想い
2024年11月27日(水)13:30〜15:00
人生を楽しむ道具であるおもちゃは、決して子どもだけのものではありません。シンプルなデザインで美しい色の玩具やゲームは、高齢者でもおのずと手を伸ばして遊べますし、世代間交流のツールにもなります。
林業従事者の働きかけから始まり、森林資源を生かして「おもちゃと遊びによって村全体を元気にしよう!」とスタートしたのが、「檜原村トイビレッジ構想」と「檜原 森のおもちゃ美術館」です。この美術館が果たしてどのような想いや経緯を経て成立しているのか、館長の大谷貴志さんにお話を伺います。
講師:檜原 森のおもちゃ美術館 館長 大谷 貴志 氏
1965年、東京都の唯一の村である西多摩郡檜原生まれ。
幼少期には、後に「檜原森のおもちゃ美術館」として生まれ変わる北檜原小学校(1984年閉校)に通う。
20代で東京都庁入庁、檜原小学校PTA会長、人材育成委員会会長、体育協会副会長、消防団長を歴任。
子供たちの笑い声が途絶えてしまった地域に元気を取り戻したいと、30年間務めた東京都庁を2020年早期退職。
同年「NPO法人東京さとやま木香會」を設立し理事。同NPO法人が檜原森のおもちゃ美術館の指定管理者となっている。
■参加費:無料
■会場:幸田町生涯現役館(ウェルビープラザ)幸田町大字上六栗字堀合41番地1
参加申し込み多数につき、申し込みを締め切らせていただきました。
お問い合わせはお電話にて TEL:0564-73-0050
幸田町シニア・シルバー世代サポートセンター
(幸田町生涯現役推進協議会事務局)
幸田町上六栗堀合41番地1 幸田町生涯現役館(ウェルビープラザ)
業務時間:月曜日から金曜日 午前8時30分〜午後5時15分(土日祝日休み)
日本一有名な木のおもちゃ村を目指す
今回は、檜原(ひのはら)森のおもちゃ美術館館長の大谷貴志さんをお招きし、おもちゃ美術館に込めた想いを語っていただきました。檜原村は東京都の西端にあり、人口は約2000人。東京都心から約50km、面積の9割以上が森林であり国立公園でもあるという豊かな自然に恵まれています。年間約20万人の観光客が訪れ、そのうち美術館への来場者は年間約4万人だそうです。
大谷氏はもともと東京都職員でしたが、出身地である檜原村の発展に貢献したいと、早期退職して美術館の設立と運営に関わってこられました。
檜原村の木材資源の新たな活用方法を求められていたところに、林業従事者から「檜原村を日本一有名な木のおもちゃの村にしよう」をスローガンに、「産業と観光の中心となるおもちゃ美術館を」と提案があり、2018年に「檜原村木育・木材産業推進基本構想(トイビレッジ構想)」に美術館設立が盛り込まれました。それから3年後の2021年に閉校となった小学校跡地に美術館はオープンしました。
建物や内装に全て檜原村産材を使用、村の風景を木で表現したり、木のおもちゃの製造部門を持つのは、全国に12あるおもちゃ美術館の中で唯一。2022年には木を使って社会課題を解決する、という「ウッドデザイン賞」を受賞されました。
トイビレッジ構想の3本の柱とは①木工おもちゃ産業の推進②おもちゃ美術館の設立③人材育成の推進、ですが、3番目の人材育成については、NPO法人を立ち上げ、おもちゃ美術館の学芸員として100人近くのボランティアが運営にあたっているそうです。
今後の課題としては「館内のおもちゃの100%をメイドイン檜原にしたい。それが真の意味でのおもちゃ美術館の完成形だと思っている」とのことでした。
大谷さんからは「幸田町の印象としては「想像していたよりたくさん森があって、とても可能性を感じた。いただいた里山ウェルビーイングの冊子にある『守り、育てる』というのは我々の美術館の考え方と全く同じ。ぜひ美術館開設に向けて頑張っていただきたい」とエールをいただきました。
セミナー終了後も質問が相次ぎました。
Q:ボランティアの学芸員が大谷さんのところに集まってくる要因は?
A:学芸員さんが自由に色々な挑戦をしてくれている。その環境が魅力かもしれない。
Q:美術館の外にも森を利用した『そとあそびフィールド』があるそうだが、整備はどうしているか?
A:来場者は自然を求めているので、裏山全体を活用している。広場にはクラウドファンディングで調達した遊具を必要に応じて設置している。
Q:ボランティアメンバーは普段どんな職業の方たちなのか?
A:6〜7割は都会から来ていて、他のおもちゃ美術館のボランティアをやっていたという方も。木材加工のメンバーは、木工職人、社会福祉協議会職員、土建屋、料理人など。交通費のみでお願いしている。
Q:リピートされる要因は?
A:東京には四ツ谷と檜原しかない。四ツ谷は靴を脱いで遊べるところが1部屋しかない。駐車場もない。檜原は全て靴を脱ぎ、駐車場もあるのでこちらを選んでもらっているのでは?